中島一光プロフィール
エリザベト音楽大学卒業。西ドイツバイエルン州立ヴュルツブルグ音楽大学Aufbaustudium Fortbildungsklasseにて、世界的ピアニストのノーマン・シェトラー氏に師事。「広範囲に渡るレパートリーを持ち、日本人離れした音楽観と、卓越した演奏解釈による豊かな表現力が秀逸」との高い評価を得て、同課程を修了。修了とともに音楽の都「ウィーン」でもリサイタルデビューを開催し、高評を得た。在学中よりオーストリア・ドイツを中心に演奏活動を行うかたわら、マイスタークラスなどに参加し、研鑽を積む。
その後の2度目の渡欧では、オーストリア国立ウィーン音楽・総合芸術大学に特別聴講生として在籍し、ピアノ独奏・声楽伴奏法をノーマン・シェトラー氏に、またピアノ室内楽法をマリアレーナ・フェルナンデス女史に師事し、研鑽を積む。同時に、ウィーン国際マイスタークラスで、ピアノをオレグ・マイセンベルグ氏に師事し、ディプロムを取得。
また、ザルツブルグモーツァルテウム音楽・総合芸術大学国際夏期マイスタークルスの「声楽家とピアニストのためのクラス」を受講し、AKADEMIEKONZERTに出演し、ディプロマを取得。その後2011年にはザルツブルグで、ソロデビューを果たした。
東京・鹿児島・北九州・広島・オーストリア(ウィーン、ザルツブルグ)・ドイツ・スイスなどでなどでリサイタルやピアノアンサンブル(連弾・重奏など)、オーケストラソリスト、声楽伴奏や室内楽など広範囲に活躍している。ルーマニア国立放送室内管弦楽団、Concilium
musicum Wien、鹿児島交響楽団などと共演。
また録音や各種コンクールやオーディションなどの審査を歴任する。
現在、ピアノ演奏活動のほか、鹿児島国際大学国際文化学部音楽学科教授。
2001年10月に音楽研究団体のピアノグループ「フロイデ」を発足し、《奏法研究会》や《フロイデコンサート》を毎年開催しているほか、ミュージックキャンプなどを開催し、多くの演奏者や教育者の育成にかかわっている。また、《フロイデふれあいコンサート》として生の音楽を聴く機会の少ない地域を中心に、ボランティアで巡回演奏会を実施し、喜界島・奄美大島・与路島・徳之島・沖永良部島・与論島などで演奏会を行っている。
1997年に第22回「鹿児島市春の新人賞」を受賞。
日本演奏連盟会員。日本ピアノ教育連盟会員。九州公私立音楽学会会員。
ピアノを中島秀哉、工藤たか、多田耕基、多田正利、杉田谷道、ノーマン・シェトラー、オレグ・マイセンベルグの各氏に師事し、またジョルジュ・ナードル、セキュエラ・コスタ、ジョーゼフ・ブロッホ、マイケル・ゴー・マシュー、イョルク・デームス氏より指導を受ける。声楽伴奏法をノーマン・シェトラー氏に、ピアノ室内楽をマリアレーナ・フェルナンデス女史に師事。
<【演奏批評など】
<2014年演奏会>
エリザベト音大から西独ヴュルツブルグ音大に学び、ウィーン音大等で研鑽を積んだ中島一光は、ピアノ演奏をはじめ声楽伴奏、室内楽と幅広い分野で活動を展開している。
この日はJ.S.バッハの《パルティータ第2番》ハ短調から始まった。この人の演奏にはテンポの運びと音楽的な呼吸に柔軟な感性があって、そこに情感を伴った美しい響きの世界が紡ぎだされていく。それは、〈シンフォニア〉から〈アルマンド〉〈クーラント〉〈サラバンド〉と進むにつれてバッハの魂に深く触れていく。続くベートーヴェンの《ソナタ「テンペスト」》二短調では、音楽における精神性というものが各楽章にどのように展開されていくかに興味深いものがあった。ピアニストの心の波動が、時に激しい感情を伴い、時に突然のレシタティーヴによる嘆きの瞬間を見せて、ピアニストの深層をよく反映し、聴く者に深い感銘を与えた。
後半はドビュッシーの《前奏曲集第1巻》。ここではこの人の持ち味である「響き」が十分にいかされていたのかどうか。とはいえインスピレーションに満ちた〈デルフィの舞姫〉の静寂と宗教的なたたずまい、〈沈める寺〉の大聖堂で共に鳴り響く鐘の音、聖歌などは、やはりこのピアニストのイメージをよく伝えていたと思う。(10月5日、東京sonorium)【ムジカノーヴァ2015年1月号 河原亨】
<2013年演奏会>
昨年に引き続き、中島さんの演奏に接した。彼は現在、鹿児島国際大学で後進の指導にあたっている。そして九州を中心として意欲的な演奏活動を行う中堅の音楽家である。
昨年と比べ、今回のコンサートは音楽がひと回り大きくなり、定着力が増したように感じた。当日のプログラムはバッハ《フランス組曲第3番》、ベートーヴェン《ロンド》作品51−2、フランク《プレリュード コラールとフーガ》、ドビュッシー《前奏曲集第2巻》という意欲的な構成である。
彼の演奏特色である「大らかな中に音楽骨格の確かさがある」が長所として発揮されていた。今回はその中でもドビュッシーが印象的だった。全12曲を一つのパッケージとして全体を遠景映像のように画面をめくっていく。全体ストーリーがとてもわかりやすかった。ただし、細部での音形成熟度はさらに高めたい。タッチイメージの種類、特に小さな粒立ちや選の太さや細さ、遠近のイメージ、発音滑舌などがそれに該当する。
全体像を見せるという意味ではバッハでも長所となり、各曲でテンポ設定と拍感に違和感を与えない。芯のしっかりした音で丁寧に弾きこんでいく。しかし、時折見せる粗さも気になる。特にペダリング、過剰なアゴーギグなどがバランスを欠いた表現に繋がりやすくなっている。フランク《プレリュード コラールとフーガ》では彼の自然な音楽の息づかいが最も伝わってきた。あとは表現手法の技術を磨いてほしい。(6月9日東京sonorium)【ムジカノーヴァ2013年9月号 時 幹雄】
ドイツやオーストリアで研鑽を積み、現在は鹿児島を拠点に内外で演奏活動を展開する中島は、時代・様式・作曲家像と音響・色彩・時空間の関係性を洞察しながら作品を構築する学究肌の演奏家。作品ごとに、あるいは楽章や声部ごとに変容する音質やニュアンスが固有の多義的な表現を生み出している。今回はさらに、J.S.バッハ『フランス組曲第3番』で装飾と表象、ベートーヴェン『ロンド・ト長調』で調性と色調、フランク『プレリュード コラールとフーガ』では和声機能と構造に関する思索の軌跡が表現に投影され、作曲家の企図を丹念にリアライズしようとする確かな意志が伝わってくる。特に後半のドビュッシー『前奏曲集 第2巻』では多層的・重層的な時空間構造が強く意識されて、万華鏡のごとき多彩で夢幻的な諸想で会場は満たされた。技巧面では本意としないであろう部分も散見されたが、そこは更なる研鑽に期待したい。(5月30日、かごしま県民交流センター県民ホール)【音楽現代2013年8月号 久保 禎】
<2011年演奏会>
中島一光さんは鹿児島を中心として活動をしているピアニストで、鹿児島国際大学で後進の育成にもあたっている。
今回のリサイタルは10月16日が鹿児島で30日が東京での開催。プログラムはモーツァルト《ソナタ》KV.332、シューマン《色とりどりの小品》作品99、フランク《前奏曲、フーガと変奏》作品18、ショパン《ソナタ第3番》作品58。オーソドックスだが大変内容の濃い作品が並ぶ。彼の強みはこれだけの内容を、高いレヴェルで保持させていく集中力の高さと心身の強さだろう。
当日、一番印象深かったのはフランク《前奏曲、フーガと変奏》だった。この作品はオルガンの響きを常に意識させられる曲だ。特に拍とテンポの加減が自然で、彼自身の波長と同期しているかのように進行していく。音響面では低弦の響きに工夫があり、レガートの上手さと相まって、敬虔なる心象を素朴に導き出している。
どの曲にも言えることだが、彼の音色は暖色系で、各声部ラインが丁寧に淡々と奏されていく。楽曲の構造や構成はよく研究され、客観性と主観とのバランスが程よくとれている。彼は演奏技巧を前面に出すタイプではないが、その奏法には随所に独自の工夫が見られる。ペダリング、運指、和声構成、脱力など、多方面からのアプローチが表情に陰影を与えている。地道な積み重ねがあってこそ滲み出てくる表現だと感じさせた。
一方、物足りないのはリズムの躍動感や輪郭明瞭な色彩感だ。全体が同色同類の音楽観となっていて、瞬発力や輝度の高い動的な魅力に欠ける。このあたりは今後の課題だろう。(10月30日、sonorium) 【ムジカノーヴァ2012年2月号 時 幹雄】
<2010年演奏会>
鹿児島国際大学教授として教鞭を執るほか、ボランティア・コンサートも活発に行っているピアニスト。一昨年にも、ザルツブルグモーツァルテウムの夏期マイスタークラスでディプロマを得るなど研鑽を深める中島一光の「シューマンとショパン」シリーズ第2回。シューマンには再演の極端に少ない《クララ・ヴィークの主題による即興曲(第2版。初版とは第3変奏や終わり方が大きく異なる)を取り上げ、マズルカなどの佳演とともに、充実した記念年第2弾となった。
この即興曲(第2版)は、クララのop.3の主題(がクララのものかは別として)とC-F-G-Cのフレーズを提示した冒頭曲に続く10変奏と最終部分から成る。オクターヴが駆使された第6、第8曲や複雑な交差の第9曲、4音フレーズが弾き継がれながら多層を極めていく第10曲後半など、やはり《交響的練習曲》の作曲家の本領発揮とも言うべき難曲だ。中島は極めて指の付け根の柔軟なピアニストなのだと思う。その技巧性を十全に繰り広げながらしかし、可愛い主題や単純なフレーズを丁寧に押さえていく彫琢で、作品を舞台に交わされた2人の交感が心に滲むような佳演だった。曲の本質に迫る表現は後半のショパンでも同様で、何より造詣深さを感じさせたのは、ペダルに浸かっていない、柔らかい質感の音で、明確な輪郭をもって語り紡いだショパンの旋律。いかにショパンが音で語り、というよりも音に心の叫びを託していたか。アンテナの深い部分で作曲者を捉えた証左であり、胸に刺さる《バラード3番》、《マズルカ》op.17-4だった。
冒頭に即興曲と同じC durの《アラベスク》を置き、《クライスレリアーナ》やショパン《マズルカ》op.7-2、《幻想ポロネーズ》を聴かせたプログラムで。(6月27日
sonorium) 【ムジカノーヴァ2010年10月号 小倉多美子氏】
エリザベト音楽大学卒業後、ヴュルツブルグ音楽大学を修了し、ウィーン国際マイスタークラスなどで研鑽を積んだ中島一光を聴く機会を得た。在学中より国内外でソロやアンサンブルなどで幅広く活躍。2001年よりピアノグループ『フロイデ』を主宰し、奏法研究会やミュージックキャンプなどを開催するほか、喜界島、奄美大島、与論島など、生の音楽を聴く機会の少ない地域を中心に巡回演奏会を行っている。現在、鹿児島国際大学国際文化学科教授。
今回はともに1810年生まれ、自分の意思とは必ずしも一致しない生き方を強いられてきたシューマンとショパンによるプログラムで、前半にシューマンのアラベスク作品18、クララ・ヴィークの主題による即興曲作品5(第2版)、クライスレリアーナ作品16。後半はショパンのバラード第3番作品47、マズルカ作品7-2、マズルカ作品17-4、それに幻想ポロネーズ作品61。
中島の演奏は、ファンタジーとパッションを巧妙に織りなすシューマン作品では、ストレートで思いきりの良い表現が強く印象に残ったが、どちらかというとパッションにより重点を置いているように感じられた。クララ・ヴィークの主題による即興曲は、あまり弾かれることがないが、中島はそれに新鮮な光を当て聴かせてくれた。ショパンの作品では、ゆとりある力強いタッチが生み出す深みのある響き、スケール大きく、自在感と表現意欲にあふれた熱演で会場を魅了した。中島自身によるプログラム冊子の解説文も、内容豊かで読みごたえがあった。(6月27日sonorium) 【月刊ショパン2010年9月号 横堀朱美氏】
<2009年演奏会>
“ベートーヴェン後期3大ピアノソナタ”と銘打たれた夕べの演奏曲目は、最後の3つのソナタ、即ちホ長調作品109、変イ長調作品110、そしてハ短調作品111.
“意志力”を思わせる作音がピアニストの特質のように感じた。さらにフレーズを“音楽的に意味あるもの”として把握し、表現し切ろうとするアプローチにも共感を覚えた。このことは、作品109第3楽章のカノンやフガートの論理性のある表現において、確かなものとして感じることができた。
しかし、この要素を音楽的綜合として有機的に結合し、ソナタ全体を構築し、さらに標記の企図に沿うべく3つのソナタに大いなる統一性を付与するという壮大な構想の実現を想うとき、幾分のかげりが残ったようだ。このことに関して言えばたとえば、作品109、および作品111の終楽章の(前者にあっては第6変奏、後者ではそれぞれの変奏における)論理性のあるテンポ設定と精確な音価の配置とリズム表現など、また作品110での終楽章終結部に向かう道程にみられる作曲家の指示の遵守や表現がやや“疎”に流れた印象であり、作品個々のレヴェルで統一感に齟齬をきたしていたように感じた。(6月28日sonorium) 【ムジカノーヴァ2009年10月号 石川哲郎】
東京・永福町にある室内楽演奏ホール、ソノリウムで、鹿児島を中心に活躍するピアニスト中島一光さんのリサイタルがおこなわれた。彼は、鹿児島国際大学で後進の指導をしながら、なかなか生のピアノ演奏を聴く機会がないという県内にある島々の人の声に応えての『島巡りコンサート』の企画開催、ピアノを中心とした音楽研究団体『ピアノグループ フロイデ』の結成、霧島で開催する『みやまの夏ミュージックキャンプ』の主催など、地域に密着したクラシック音楽振興に欠かせない音楽家として活躍している。
今回は初の東京公演で、曲目はベートーヴェン後期3大ピアノソナタ。自ら綴ったプログラムノートには、ピアノソナタ第30番を『恩寵』、第31番を『復活』、第32番を『昇天』と独自のタイトルが付され、彼の作品への解釈や思いが綴られていた。演奏家らは謹厳実直さが感じられ、ベートーヴェンの言葉にならない叫びや、旋律の美しさの中にある聖母マリアのような救いに至ろうとする真摯な探究心がうかがえた。特に31番のフーガの部分は、ストイックさが伴い、とても良かった。
演奏中、ときおり天を仰ぐように弾くことがあった。終了後彼が語るには、1年前に亡くなられた恩師、杉田谷道先生の存在を身近に感じる不思議な体験をしていたという。お盆にはまだ早いが、もしかしたら愛弟子の演奏を聴きにきていたのかもしれない。この恩師の前でウィーン留学からの帰国後にも後期三大ソナタを弾いた。その恩師への感謝の意をこめて、プログラムに思い出も曲を選んだそうだ。真面目で温かい人柄と、日々演奏を磨く姿が出たコンサートだった。【月刊ショパン2009年9月号91ページinterviewより 文:江口直子】
“ベートーヴェン
ルーマニア国立放送交響楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を共演(2006.11.13北九州響ホール)
Kazumitsu Nakajima
in Tokyo geboren, erhielt den ersten Klavierunterricht im Alter von drei
Jahren
bei seinem Gross Vater Hideya Nakajima. Nach Abschuluß des Gymnasiums
,
studiert er bei Prof. Tanimichi Sugita am der Elisabeth University of Music
in Hiroshima,
schloß er sein Studium erfolgreich ab und erhielt das Diprom “ Bakkalaureat
of Music “
und Diprom als Musiklehrer fur die Mittelschule und Gymnasien.
Danach studierte er an der Hochschule für Musik in Würzburg Aufbaustudium
Fortbildunksklasse Klavier bei Prof. Norman Shetler, 1992 schloss er seinen Studium erfolgreich ab
mit Auszeuchnung fur seine Interpretation. Er ist der Professor an der
IUK
The International University of Kagoshima .
1997 Nachwuschsforderungspreis von Kagoshima.1997 studierte er als Zuhörer
in Kammermusik bei Prof. Mariarena Fernandez und Liedbegleitung bei Prof. Norman Shetler
an der Hochscule für Musik und darstellende Kunst in Wien.
Er studiert
auch der Wiener Meisterkurs bei Oleg Maisenberg und erhielt Abschulss Diprom.
Zahlreiche Soloabende, Liedbegleiten, Kammermusik, in Japan, Osterreich,Deutschland,
Schweiz, erganzen seine kunstlerische Tätigkeit.

■You Tube
1) Mozart Klaviersonate K332 2mov.
2) Schumann Arabeske
op.18
3) Debussy Prelude 1 No.6 Des pas sur la neige