SCOLA BACHEN KAGOSHIMA

 

<大切なお報せ>

バッハの学校鹿児島講座の丸山桂介先生が、2024年2月16日にご逝去されました。生前、鹿児島講座にて、演奏者のあるべき姿、そして作品を
生み出す側の様々な想いなど、深い内容を沢山教えていただきました。毎回の講座は一日中朝から晩までの長時間でしたが、先生ご自身が
体調に関係なく、とても献身的に講座に臨んでくださいました。そのおかげで、ここ鹿児島の地で、多くの知識を有する機会を得ましたこと、
心から感謝しております。
丸山桂介先生のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、受講生の皆さまに、謹んでお報せいたします。

<バッハの学校鹿児島講座>のご案内
2022.10.07 更新

■バッハの学校公式サイト: http://www.scholabachen.com/(現在停止中)




●バッハの学校からのお知らせ

バッハの学校鹿児島講座は、丸山桂介先生のご逝去により、閉講致します。受講生の皆様、ありがとうございました。

<2022年度鹿児島講座について>
2022年度は、主テーマ「シューマン講座」と致しまして、全11回のオンライン講座となります。
また、全国一斉に「美について」と題し、オンライン講座が7月よりスタートされました。こちらも上記のシューマン講座とどうよう、音声講義となりますので、随時受講可能です。
オンライン講座では、事前に配布されました資料を基に、録音ファイルが各自に配布され、携帯端末などで簡単に受講できます。
コロナ禍において、安全に受講できますように考慮されております。また、バッハの学校では、原宿、池袋、岡山、京都など各地で開催されており、その講座を受講することもできますので、バッハの学校公式サイトにて、ご確認ください。

引き続きまして受講希望者を募集しております。
尚、受講料など各種問合せ・申込受付はメールとなります。下記あて、お名前と連絡先電話番号、メールアドレス、住所を記入し送信ください。
折り返しまして、募集案内と申込書を添付にてお送りいたします。また、メールにて同時に参加仮受付もできます。詳細は事務局まで
メール問合せ:scholabachen.kagoshima@gmail.com(鹿児島講座事務局)



■バッハの学校鹿児島講座ー丸山桂介先生をお迎えし、鹿児島で講座を開催しています。
■バッハの学校公式サイト:http://www.scholabachen.com/
■講師:丸山桂介先生 
プロフィール・・・音楽学(専門領域はバッハを軸としたヨーロッパ音楽精神史)。著作『プロメテウスの創造―精神史としてのベートーヴェンー』『バッハと教会』『ウィーンのモーツァルト』『バッハ ロゴスの響き』『神こそわが王―精神史としてのバッハー』『バッハ 聖なるものの創造』研究の傍ら音楽評論家として読売新聞に長く演奏批評を執筆。NHKのFM・TVでコンサート案内。『音楽の友』『レコード芸術』誌等にも執筆。
1986年から一年間ドイツ政府の招待研究員としてシュトゥットガルトの国際バッハアカデミー及びライプチヒのトーマス・ニコライ両教会のアルヒーフでバッハ時代の典礼資料を研究。今日に至ってもこの時の研究を基にバッハの教会音楽作品に関する神学・精神史の領域に立つ研究を進めている。

 


<講座テーマの紹介>
■2022年 オンライン講座 講師:丸山桂介先生
テーマ1「シューマン講義」2022年1月開講全11回
テーマ2「モーツァルト講義」不定期開講にて現在継続中
テーマ3「びについて」7月よりスタート。(現在も申込可能)


<過去の講座内容>
■2020年より、コロナ禍のためにオンライン講座となりました。
  テーマ1「ブラームス講義」全6回
  テーマ2「モーツァルト」不定期開講

●第15回鹿児島講座について:講師 丸山桂介先生

第1日目:2019年8月31日(土) 9:30~12:00:講座
               13:00~15:30:講座
               15:40~17:40:講座
第2日目:2019年9月1日(日) 9:30~12:00:講座
               13:00~15:00:講座

バッハの『インヴェンション』発見

<概要>
曲集のタイトルに用いられた「インヴェンション」inventioは、元は修治・弁論術に使われて演説の「テーマ」ないし語るべき事柄の「発見」「着想」を意味する用語でした。
弁論や演説の方法は古代ギリシア・ローマで確立され、やがてイタリア・ルネサンスの頃から音楽作品や演奏の纏め方として音楽の領域に転用されたものです。バッハの曲集も改める迄もなくこの伝統に立つものです。従ってこの曲集に収められた作品を演奏するためにはバッハがその作品で何を「着想」しその着想した「テーマ」を巡って音による弁論をどのように「展開」させたか、その手法ないし語り方を理解する必要があります。
今回の講座では E Dur を例に、このようなバッハにおける inventio について学習します。バッハがこの作品で語った「着想」= テーマについて検討し、そのテーマの内容について、バッハの他作品も参照しながら検証します。その検討から果たして何が現れるか ー いわばバッハ「発見」 のひととき。

<講義教材>
•インヴェンションE-dur 丸山先生の論文
•インヴェンションの楽譜
※丸山先生の論文をお持ちでない方は、学生 ¥1000ー 一般 ¥2000ー で購入できます。

<講座場所>
鹿児島国際大学8号館の4階8409教室


●第14回鹿児島講座について:講師:丸山桂介先生
   第1日目:2019年4月13日(土)
   第2日目:2019年4月14日(日)
   ●「パストラーレ」 〜 牧歌の歴史とゲマトリア 〜
     2019年(平成31年) 4月13日(土)  9:30 ~ 12:00 ... 講義-1
                     13:00 ~ 15:30 ... 講義-2
                     15:40 ~ 17:40 ... 講義-3
     2019年(平成31年) 4月14日(日)  9:30 ~ 12:00 ... 講義-4
                     13:00 ~ 15:00 ... 講義-5

※バッハのDasWohltemperirteClavierの1巻と2巻、もしくは曲集のなかのF-Durとf-Mollの楽譜を当日ご持参下さい。
   ●会場:鹿児島国際大学 8号館 4階 8409教室

今回の講座の基本の問題点:「パストラーレ」とは何か。古代ギリシアにおいて問われた「自然の法則」。法則は「神話」として「哲学」として、かつ「パストラーレ」の形態をとって「ことば」によって人間の耳に響くことになった。その響きをバッハの諸作を手がかりに解析する。Fを基とする作品、F-Dur, f-MollのPraeludiumとFuga etc.併せて、響きの解析の一手法として用いられるゲマトリア = 数に代置されたパストラーレについて解説する。(記.丸山)

パストラーレはバロック時代に多作された音楽作品の名称のひとつで古く古代ギリシアに端を発する文学作品の一ジャンルであった。基本的には羊飼いの物語であり、牧歌的自然を描写するのがパストラーレであった。しかしギリシアでパストラーレは自然の描写を通じて「自然とは何か」という問を巡る自然観を表すようになり、天空の秩序を問う宇宙観と一対をなす、人間とそれを取り巻く自然に対する様々な問題を表現することになった。歴史的には先ず古代ギリシア・ローマで優れた作品が作られ、次いでギリシア・ローマの文芸の復興を目指したルネサンス及びその意図を継承したバロック時代にパストラーレは纏められることになった。今回の講座ではバッハ作品を手がかりにしてパストラーレの歴史を繙き、併せて宇宙観や自然観を象徴的に表すために用いられた数による表現法=ゲマトリアについて検討する。(記.中島)
  


 第10回~13回4期連続講座2017/2018年
受講生の皆さんの向学心から2013年に発足した鹿児島講座も10回を迎えることとなりました。
これを記念して、2年間4回にわたるシリーズ講座を開催します。受講は2年間のセット講座、1期ずつの両方で受講できます。詳細は上記まで。

●第13回鹿児島講座について (終了しました)
   第1日目:2018年9月29日(土):講師:丸山桂介
        第1講座 テーマ:Das Wohltemperirte Clavier l h Moll
                 ~ 十字架とバッハの音楽 ~
        宇宙という家の中に住む人間は古来より宇宙という天井を見上げ、空を四区分した。
        その四区分をなして交差する二本の直線は天空に十字を描く。宇宙の十字とキリストの十字架、
        バッハのロ短調にその表現を読む試み。
      9:30~12:00:講座
     13:00~15:30:講座
     15:40~17:40:講座

   第2日目:2018年9月30日(日)
        第2講座 テーマ:「修辞」をめぐる歴史 ll
      9:30~12:00:講座
             テーマ:ブラームスの楽譜と標題 ~ 「ことば」によるイメージの層について ~ 
    13:00~15:00:講座


●第12回鹿児島講座について (終了しました) 
   第1日目:2018年4月21日(土):講師:臼井雅美
        第1講座 テーマ:第2回 クラヴィコード奏法実習
      9:30~12:00:クラヴィコード奏法実習
     13:00~14:30:クラヴィコード奏法実習
     14:30~15:00 着替え休憩
     15:00~17:40:第1回バロックダンス実習『身体でつくる拍感・リズム感・フレーズ感』基本の姿勢、
                 正しく歩く、ポジション、基本ステップの踏み方 、メヌエットステップを学ぶ
                  (1725年 ピエール・ラモー『ダンス教師』著書に基づいたバロックダンスレッスン) 解説と実習

   第2日目:2018年4月22日(日)
        第2講座 テーマ: 第3回クラヴィコード奏法実習
      9:30~11:00:クラヴィコード奏法実習
     11:00~12:30:カンタービレ考察(講義)
     13:00~15:00:バロックダンス実習(前日の復習、メヌエット、ブレ)

   ※ 前回(2017年9月)の資料をご持参ください。


●第11回鹿児島講座について  終了しました。
   第1日目:2017年9月2日(土):講師:臼井雅美
        第1講座 テーマ:クラヴィコード入門と演奏
     10:00~10:30:『クラヴィコードの歴史』
     10:40~11:40:クラヴィコードミニトークコンサート
             テーマ:第1回クラヴィコード奏法実習
     13:00~15:30:奏法実習
     15:40~17:40:奏法実習
   第2日目:2017年9月3日(日)
        第2講座 テーマ: 講義『ピアニストとクラヴィコード』
                  ーバロックから現代の鍵盤楽器奏法に関する文献、コルトー映像解析ー
      9:30~12:00:講義
             テーマ:第1回 実習『身体でつくる拍感・リズム感・フレーズ感』
                 ーバロックダンスを通して その1メヌエットー
     13:00~15:00: 実習


●第10回鹿児島講座について  終了しました。
   第1日目:2017年4月22日(土):講師:丸山桂介
        第1講座 テーマ: Das Wohltemperirte Clavier ll F Dur
                 ~Pastor 羊飼いのイメージと「楽譜」~
        古代ギリシアの牧歌とクリスマスに関する作品の伝統とその表現についてバッハの「プレリュードとフーガ」の解析とレッスンを
        交えての講義。
      9:30~12:00:講義
     13:00~15:30:講義
     15:40~17:40:講義

   第2日目:2017年4月23日(日)
        第2講座 テーマ:「修辞」をめぐる歴史 Ⅰ
                 ~ベートーヴェン ピアノソナタOp. 13 (終楽章を中心に)
      9:30~12:00:講義
             テーマ:ベートーヴェン ピアノソナタ 作品13 
     13:00~15:00:分析とレッスン


■第11回、第12回の講師紹介
臼井雅美(2017年10月、2018年4月講座担当)
東京音楽大学ピアノ科卒業。1998年全日本ソリストコンテスト奨励賞。ピアノによる17・18世紀演奏法を丸山桂介氏に師事。ラヨシュ・ロバートカイにチェンバロを、クラヴィコードをミクローシュ・シュパンニに師事。ブレーメン芸術大学古楽科でチェンバロ、クラヴィコード、通奏低音、アンサンブル、バロックダンスをカーステン・ローフ、スティーブン・スタップス、ヴィオラ・デ・ホーグ、ユルゲン・シュラーペ各氏に師事。ブレーメン放送局にて古楽アンサンブル演奏の放送に携わる。バロックダンスをフランスでフランソワーズ・ドニ オ、アナ・イエペスに師事。フランソワーズ・ドニオのバロックダンス教授資格認定講師。
栃木蔵の街音楽祭、 岡山音楽祭、くらしき音楽祭に出場。松山音楽祭で日本フィルハーモニー弦楽合奏団の通奏低音を務めた他多数の演奏会に出場。2011年までくらしき作陽大学特別講師、東京音楽大学講座助手を務める。2011年丸山桂介著書『聖なるものの創造』にバロック運指法記述とバッハインヴェンションとシンフォニア全曲をクラヴィコードで演奏録音CDを添付し発売。東京古典舞踊研究会会員。

 


第9回「バッハの学校」鹿児島講座2016特別講座2 終了しました。

ハ短調の響きと音楽創造の関連について
-「音楽の捧げもの」とピアノ・ソナタ作品13、モーツァルトのハ短調の関わり-

 「バッハの学校」鹿児島講座として全8回にわたり、シリーズの講座や特別講座として開講し、多くの方々に受講いただいております。今回は特別講座3として、テーマは「ハ短調の響きと音楽創造の関連について」ということで、丸山桂介先生をお招きして、第1日は完了型講座を、さらに第2日は受講生からのテーマ案「フォルトゥナ、天空の秩序と音楽 ー ドリア旋法と宇宙論 ー」による講座で、オプション講座を2つ行います。ぜひ受講ください。

■講座要旨
 モーツァルトの傑作が創造されたのは生涯の最後の10年間であった。このときモーツァルトはバッハ作品との出会いの中に在った。
ベートーヴェンは、このときのモーツァルト作品の上に自己の世界を築いた ー 二人の天才を結んだのはバッハの『音楽の捧げ物』であった。
今回のメイン講義では、ベートーヴェンの Op.13の分析・レッスンを中心に、このバッハ作品と二人の作曲家の「ハ短調」作品について研究する。
オプション講義では、バッハやショパン達の表現世界に存在し続けた「フォルトゥナ」を取り上げて、ヨーロッパ音楽の深層に投影された「フォルトゥナ」が司る宇宙の調和・ハルモニアについて、実際の作品例に触れながら講解する。

■講座日時及び講座内容

<10月22日(土)> 『共通テーマ:ベートーヴェンのピアノソナタ作品13と音楽の捧げものの関連について』
     09:30 - 12:00 『音楽の捧げ物』とモーツァルトのソナタ Kv.457
    13:00 - 15:30 Op.13 とベートーヴェンのハ短調作品
    15:40 - 17:40 『悲愴』Pathetique の語源とギリシア悲劇

<10月23日(日)> 『オプション講座:フォルトゥナ、天空の秩序と音楽 ー ドリア旋法と宇宙論 ー 』
オプション講座1:09:30~11:30  オプション講座2:12:00~14:30  

●用意いただく楽譜 :ベートーヴェン・ソナタ集など(作品13を含む)、モーツァルト・ソナタ集など

■会場:10月22日:鹿児島国際大学8号館2階8224講義室
    10月23日:鹿児島国際大学8号館2階8224研究室



第8回「バッハの学校」鹿児島講座 2016特別講座1  終了しました。

ベートーヴェンのいわゆる後期作品の響きの構造について その2
-ピアノ・ソナタ作品110と111+第九のテキスト-

「バッハの学校」鹿児島講座として全5回にわたり、シリーズの講座を、その後特別講座として開講し、多くの方々に受講いただいております。8回目の今回は2016特別講座1として、テーマは「後期ソナタOp.110の歌の世界の分析に、併せてOp.111と第九のテキストを講解」ということで、丸山桂介先生をお招きして、1日は完了型講座を、さらに2日目は希望者のみのオプション講座を2つ行います。ぜひ受講ください。

■講座要旨
昨年の『ベートーヴェン後期ソナタ』に続いて今回は主としてOp.110を、また併せて最後のOp.111と「第九」のテキストを解析する。「ミサ・ソレムニス」との深い共鳴の内に形作られた三幅対のソナタの、前回に取り上げたOp.109 が何か存在の源泉を巡る思索を強くするものであったのに対してOp.110 はことばの深い意味での孤影の歌と呼び得る、しかし遥かに崇高なカンタービレ・ソナタであり、Op.111 は地上と天上との対話の中に高みなす天界に飛翔する宇宙論的魂の世界を形成する。三曲のソナタの後に、ベートーヴェンの筆は「第九」に向かう。その終章のテキストこそ、ベートーヴェンの生涯の思索を集約させてとりわけてOp.111の解明に美しい光を投げかける。ピアノ演奏は住吉智子さんの担当。
オプションの2講座は二つの、表面的には遠く在りながらも分かち難い結び付きをみせる「歌」と呼ばれる「朗誦」とショパンの響きを取り上げる。ルネサンス/バロック期の創作に多大な影響を与えたとされる、ローマ時代の弁論家キケロの説く修辞・弁論と、それを基に成立したと考えられるショパンの作品の一領域について解析する。分析される曲はノクターンからの二三の小品になるであろう。 記・丸山

■講座日時及び講座内容:
<4月16日(土)> メイン講座「後期ソナタOp.110の歌の世界の分析に、併せてOp.111と第九のテキストを講解」
9:30~12:00    講座1:座学とレッスン1
13:00~15:30    講座2:座学とレッスン2
15:40~17:40    講座3:座学とレッスン3

<4月17日(日)> オプション講義
オプション講座1:  9:30~12:00   キケロの修辞とバッハのカンタービレ - 修辞的演奏法の源泉に汲む -
オプション講座2: 13:00~15:30   ショパン分析  - ノクターンとフォルトゥナ -
●取り扱う楽曲およびご用意いただくもの :基本講座はop.90 以降のベートーヴェン・ソナタ、オプション受講者はショパンのノクターン集、バラード集,

■会場:4月16日:鹿児島国際大学8号館4階8409講義室
4月17日:鹿児島国際大学8号館2階8224研究室 



★第7回バッハの学校」鹿児島講座 2015 特別講座2  終了しました!!
ベートーヴェンのいわゆる後期作品の響きの構造について-「ミサ・ソレムニス」とピアノ・ソナタ-
 「バッハの学校」鹿児島講座として全5回にわたり、シリーズの講座を、その後特別講座として開講し、多くの方々に受講いただいております。今回は特別講座2として、テーマは「ベートーヴェンのいわゆる後期作品の響きの構造について」ということで、丸山桂介先生をお招きして、1日は完了型講座を、さらに2日目は希望者のみのオプション講座を2つ行います。ぜひ受講ください。
■講座要旨
人間の精神活動のあらゆる領域における最高の次元に立つ作品のひとつにベートーヴェンのいわゆる後期作品が属していることは改めての言を要しない ー ピアノ・作品の分野における晩年の諸作の中から、今回は Op.109 を主たる素材として取り上げ、いわゆる後期作品の特徴とそれによって表明されたベートーヴェンのメッセージをピアノ・ソナタの響きを手掛かりに解析する。
芸術作品の歴史に表れたひとつの共通した傾向 ー 大芸術家の晩年の様式と呼び得る作風・様式の中で常に問われたのは「聖なるもの」への深い視座であり、世界の一切を超えて「聖なるもの」への回帰を歌った魂の浄化であった。特に、早くリーツラーによって指摘されたベートーヴェンとミケランジェロの作品が響かせた同一の響きの中に、魂の浄化は見紛うべくもなく表れている。ミケランジェロは、プラトン哲学との共鳴の中でこれを具体化し、ベートーヴェンはプラトン的世界に加えて「ミサ・ソレムニス」における「聖なるもの」との対話の中で魂の浄化の意味を問うた。
今回の講座ではこの「ミサ・ソレムニス」とピアノ・ソナタとの具体的結びつきを手掛かりに、かつ Op.109 を課題曲として取り上げつつ、一連の後期作品の分析を試みる。課題曲の演奏は、前回と同じく中島教室の上京さんにお願いさせていただいた。(記・丸山)

■講座日時及び講座内容:
<10月23日(金)> 「オプション講座:前回の受講生の希望によるリクエストテーマ」
            オプション講座1:  9:30~12:00   シューマン・ピアノ作品のひとつの捉え方 ーーーことばと響きーーー
             オプション講座2: 13:00~15:30   ゲマトリアによるバッハ・インヴェンションの分析・実習ーーーゲマトリアの歴史・バッハの思想的系譜を視野に入れてーーー

<10月24日(土)> 『共通テーマ:ベートーヴェンのいわゆる後期作品の響きの構造について』による講義とレッスン 3コマ
           9:30~12:00    講座1:座学とレッスン1
           13:00~15:30    講座2:座学とレッスン2
           15:40~17:40   講座3:座学とレッスン3
●取り扱う楽曲およびご用意いただくもの :Op.90 以降のベートーヴェン・ソナタ


★第6回「バッハの学校」鹿児島講座 終了しました!!
 特別講座 ―「創造」「個性」と「良い趣味」―

 「バッハの学校」鹿児島講座として全5回にわたり、シリーズの講座を開講し多くの方々に受講いただきました。今回からは特別講座として開講いたします。今回のテーマは「創造」「個性」「良い趣味」ということで、丸山桂介先生をお招きして、1日完了型講座を、さらに2日目は希望者のみのオプション講座を2つ行います。ぜひ受講ください。
<講座要旨>芸術と創造、創造と個性は不可分の関係にあると信じられているー果たしてこの考えは正鵠を射ているのか。17世紀から19世紀にかけてのひとつの歴史的事実 ― 多数の作曲家が「同一の、ひとつのテーマ、ひとつの音型、ひとつの素材」を使って多数の作品を「創造」した。しかも今日、この多数の作品を誰しもが「個性豊かな作品」と考えている。バッハからショパンに至る三つの作品を一例として、この不可思議な事実について検討する。併せて17世紀以来、これらの作品の演奏に関して求められたのは演奏家の「個性」ではなく「良い趣味」であった。それでは「良い趣味」とは何であるのか。「ひとつの素材」を「良い趣味」に立って追求したらどの様な響きが生まれるのか ー この問題を研究するための講座を開きます。

■講座日時及び講座内容:

<3月1日> 「共通テーマによる講義とレッスン 3コマ」
    9:30~12:00    座学とレッスン1
   13:00~15:30    座学とレッスン2
  15:40~18:10   座学とレッスン3
<3月2日> オプション講座
オプション講座1: 10:00~12:00   参加者からのテーマ1
オプション講座2: 13:00~15:00   参加者からのテーマ2
●取り扱う楽曲およびご用意いただくもの :バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻BWV849嬰ハ短調、ベートーヴェン ピアノソナタ 第14番「月光」の第1楽章、ショパン 遺作の夜想曲(レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ)の楽譜。



「バッハの学校」鹿児島講座 連続講座 終了しました!!
★第4回 分析・「響き」を読む - 第5回 分析・「響き」を響かせる

 「楽譜」を読むことは「楽譜」という形をとっている何等かの「作品」を「分析」する作業を意味します。「分析」はひとつの形あるものを解体する作業であり、例えばひとつの文章にまとめ上げられている「作品」を、この文章を構成している種々の構成要素に分解し、それによって、その「文章」が伝えようとしているメッセージを明確に把握することです。「音楽作品」の場合、そのメッセージは「響き」によって伝えられるので、分析の作業はそのまま「響き」を「楽譜」から読み取ること = 聴き取ることを意味します。そして最終的にはこの「響き」を、例えばピアノで具体的に弾き表すことになります。つまり「分析」は「演奏」することでもあるのです。
 今回の鹿児島講義では、この「演奏」としての「分析」=「楽譜の読み方」をテーマにします。この作業の説明、研究には多くの時間が必要とされますので、二回の講座をワンセットとして行います。
 具体的には小さなフレーズの解析から始め、ソナタのような大きな形の「作品」の捉え方までを、段階的に説明します。その際にサンプルとして取り上げる曲例は、可能な限りこれまでの講座で取り上げたものにしますが、参加者の御要望にも応えたく思いますので、取り上げるべき曲の御希望がある場合は、参加申し込み時に曲名をお知らせ下さい。

■講座日時及び講座内容:

<第4回> 読譜による分析法
2014年 6月8日(日) 9:00~12:00   ルーペで読む「インヴェンション」Ⅰ
          13:00~16:50   ルーペで読む「インヴェンション」Ⅱ
    6月9日(月) 9:00~11:50  「楽譜」の形而上学(「在る」ものと「楽譜」)―「楽譜」には何が表されているかー

<第5回> 分析の演奏における反映方法 ※第5回は日程変更の可能性があります。詳細決定は6月の講座時に参加者の皆さんの予定を伺ったうえで調整いたします!ご了承ください。
2014年8月2日(土)9:00~12:00   ベートーヴェンの「楽譜」を聴くー Op 28を例とした分析と演奏(予定) ー
           13:00~17:50   同上
    8月3日(日)9:00~11:50   楽譜とテンポ + フリートーキング(リクエストによる分析と演奏)
●取り扱う楽曲およびご用意いただくもの :バッハの「インヴェンション」の楽譜。「インヴェンション」以外の曲例を使う場合は当日資料として配布されます。


●第1回は「インヴェンション入門」、第2回は「インヴェンション入門」と題し、バロック時代の音楽観や演奏レッスン、他の作品との関連性を勉強いたしました。また、第3回は音楽的修辞法(表現)の理解と探究と題し、バロック時代の修辞と音楽論について(第1回)、17~19世紀の音楽がいかなる手法でまとめられているのか、歌の作品とピアノ曲の関連、ヨーロッパの芸術の本質について、ゲマトリアによる分析(補講)、モーツァルトの後期(ウィーン時代)ピアノ曲における特徴としてFantasie KV475とソナタKV457を勉強いたしました。第4回と第5回は連続講座となります。いよいよ音にすることを実践していきます。ぜひ、共に学びましょう!
●お申込み:メールにてご連絡ください。



★第3回バッハの学校鹿児島講座ー『音楽的修辞法(表現)の理解と探究』-表現の探究ー終了しました。
2014年1月26日(日)~27日(月)
26日:かごしま県民交流センターパソコン研修室第2
27日:鴨池公民館第2研修室
内容:26日午前10:00~12:00  バロック時代の修辞と音型論について(第1回)
午後1時~4時50分 17~19世紀の音楽がいかなる手法でまとめられているのか
           歌の作品とピアノ曲の関連
              ヨーロッパの芸術の本質について
16:55~17:50 ゲマトリアによる分析(補講)
27日 9:00~11:50 モーツァルトの後期(ウィーン時代)ピアノ曲における特徴 幻想曲K.475とソナタハ短調K457について

 



★第2回バッハの学校鹿児島講座ー『インヴェンション』入門Ⅱーを開催します。終了しました!
8月31日(土)~9月1日(日)
松田ピアノ友社コダーイルーム
講師:丸山桂介先生
インヴェンションの解釈と演奏表現について
●2013年8月31日(土)~9月1日(日)
●内容: 31日午前10時~12時 バロック時代の基本的芸術観と音楽観ー
          午後1時~5時   インヴェンションの分析と演奏レッスン
      1日午前10時~12時  バッハの他の作品との関連性
●会場:松田ピアノ友社コダーイルーム



★「バッハの学校」鹿児島講座ー『インヴェンション』入門ー を開講します。終了しました。
バッハを軸としたヨーロッパ音楽精神史をご研究の丸山桂介先生をお迎えして、インヴェンションについて入門講座を開催します。バッハに興味をお持ちの方、ぜひご参加ください。
●講師:丸山桂介先生 
プロフィール・・・音楽学(専門領域はバッハを軸としたヨーロッパ音楽精神史)。著作『プロメテウスの創造―精神史としてのベートーヴェンー』『バッハと教会』『ウィーンのモーツァルト』『バッハ ロゴスの響き』『神こそわが王―精神史としてのバッハー』『バッハ 聖なるものの創造』研究の傍ら音楽評論家として読売新聞に長く演奏批評を執筆。NHKのFM・TVでコンサート案内。『音楽の友』『レコード芸術』誌等にも執筆。1986年から一年間ドイツ政府の招待研究員としてシュトゥットガルトの国際バッハアカデミー及びライプチヒのトーマス・ニコライ両教会のアルヒーフでバッハ時代の典礼資料を研究。今日に至ってもこの時の研究を基にバッハの教会音楽作品に関する神学・精神史の領域に立つ研究を進めている。
●2013年7月6日(土)~7日(日)
●内容: 6日午後7時~9時 プレインヴェンションーバッハ作品と原典版を巡ってー
      7日午前9時~12時 ”inventio"について -inventioの歴史とバッハ作品
        午後1時~4時  分析「インヴェンション gmoll」
●会場は鹿児島市内の公共ホールの会議室を予定しています。参加者におってお知らせいたします。