ピアニスト中島一光が勤務している鹿児島国際大学音楽学科ピアノコースについて、ご紹介します。(2022年4月現在の情報です。)
ピアノコースには、2つの課程があります。1つは、【ピアノ演奏家課程】、もう1つは【ピアノ課程】です。
【ピアノ演奏家課程】では、主にピアニストとして、大学卒業後に音楽活動をすることを視野に入れ、ピアノ実技科目などを多く履修することになります。中でも最大の特徴は、「ピアノ主科Ⅰ~Ⅷ」の他に、「ピアノ奏法Ⅰ~Ⅳ」「ピアノ奏法研究Ⅰ~Ⅱ」と、各期週2回45分×2回の実技レッスンを年間30週受講することです。また、3年次には、「学内リサイタル」を開催することが必修となります。在学中にも、演奏経験を豊かにするため、各種演奏会出演する機会が多く与えられるため、入学後も多くの練習時間の確保が必要となります。卒業後の進路として、国内外、県内外でのピアニストとしての活動に従事する人が多く輩出されています。また、大学院への進学をする人もおります。
ピアノ演奏家課程の入学試験の課題は、ピアノ課程よりも多く課せられます。ショパンの練習曲より2曲、バッハの平均律より1曲(プレリュードとフーガ)、そのほか任意に選んだ1~2曲を合計15分程度のプログラムとして演奏することが課せられます。これは、演奏家課程に入学後のより高度な学習目標をこなしていくための測りでもあります。※入学試験課題は、年度による変更する場合はありますから、必ず大学HPで確認してくださいね。
入学後の課題として、ピアノ実技試験では、「ピアノ奏法Ⅰ~Ⅳ」「ピアノ奏法研究Ⅰ~Ⅱ」の6ゼメスタで、バロック、各種練習曲、古典派、ロマン派、近現代の幅広いレパートリーを任意に選曲し、各15分~20分程度でプログラムを組み、各期に演奏することが課せられます。そのため3年次までに90分~120分におよぶレパートリーが習得できるよう、配慮されています。
3年次の学内リサイタルでは、上記ピアノ奏法科目で習得した楽曲や、新たに任意に選択された楽曲で、45分以上のハーフリサイタルプログラムを組み、公開でリサイタルを開催することが必修となります。
また「卒業演奏研究」では、15分程度の自由曲を演奏することが課せられ、総合的に4年間でフルリサイタルプログラムを1つ~2つ以上完成させることが最終の目標となります。ピアノが好きで、将来ピアニストとしての途を歩みたいという強い信念をお持ちの皆さん、是非入学試験に挑戦してみてください。
【ピアノ課程】では、主に自分の学びのペースを保ちながら、将来の進路をピアノ演奏者、ピアノ指導者、教育職従事者(別途教職課程の履修が必要)、一般企業への就職、起業希望者など様々な進路に対応するよう、ピアノ関連科目と一般教養科目、音楽専門科目をバランスよく履修できるようカリキュラムが配慮されています。入学試験では、試験種別ごとに試験課題が異なりますので、大学のHPで確認してください。
ピアノ課程の入学後の学びは、各学年の秋から冬にかけて、実技試験があり、各期ごとに任意選択による練習曲1曲と自由曲1曲、バロック作品1曲と自由曲1曲などをはじめ、基礎を学ぶ楽曲を1・2年生で中心に学び、3年次には、実技試験の他、秋に開催される学内演奏にて1曲、演奏します。また、卒業研究では、10分程度までの自由曲を1曲演奏します。実技試験の選曲に関しては、比較的自由な選曲が可能であり、個々の学びと、将来の進路に併せた演奏実技研究が中心となります。週1回45分のレッスンが年間30回あります。この課程の特徴は、個々の抱える課題を、時間をかけて解決し、新たな課題に取り組むことができるように工夫されていることです。そのため、自分軸での学習を進めることが可能です。
またこの課程では、指導者養成科目など、幅広く音楽を学ぶための科目が多く設定されているので、将来ピアノ指導者になりたい人や、企業などに務めながら、ピアノを続けて勉強していく方などに、有意義な学びが開かれています。総合大学の利点を可能な限り有効手段として使えるため、音楽単科大学と違う学びができ、本学の他学部他学科の開設科目履修等が可能となることからも、大変有利です。そのため、将来の進路への準備として、一般企業に就職する際の資格取得や、音楽以外の分野の専門科目を履修することも可能で、特に社会人入学の場合、既修得単位以外の科目を履修できるなど、教養を更に身に付けたり、新しい知識習得の機会を得ることができるなど、魅力的な学びとなります。
2つの課程の大きな違いは、➀ピアノ実技が中心となる履修であるため、ピアノ実技課題を多く習得でき、卒業後の演奏活動に必要な大きな力を培うことができること、一方で、②ピアノ演奏者という枠にとらわれず、ピアノとの関係を深めることで、自身のモチベーションを高めながら卒業後の生活をより豊かにするための学びができるということであると思います。皆さんはどちらの課程が自分に合っているか、ご自身で自由に選択できることが特徴です。
そのほか、ピアノコースの特徴として、アンサンブル科目の「ピアノ重奏」、ピアノに関する知識習得と学術研究を主とする「演習ゼミ(ピアノ)」など、ピアノ演奏をするうえで、様々な角度からピアノを捉える事で、より演奏の完成度を高めるとともに、広く雑学まで含む知識の習得ができるように科目が設置されています。『ピアノが大好き』であるという人にとり、自身の掲げる目標とともに、どちらかの課程に所属し、自身のペースで学ぶことができます。さらに、社会人入学の場合、ピアノ習得に関して柔軟な対応を行っており、老若男女、ピアノを学びたいと強く願う皆さんの希望を叶える履修体制が整っているため、高校卒業生だけでなく、他大学の既卒の方、定年を迎えられて自分の夢を果たしたいと、様々な希望に満ち溢れた方々が、大学で日々、切磋琢磨されています。
またピアノコースでは、毎年「ピアノの祭典」を学外公共ホールにて開催し、全学生が独奏や重奏などの演奏を地域の方々に楽しんで頂く企画があります。4年間で大変多くの経験ができますから、卒業後の就業力も高く、ピアノに関連する仕事での専門性の高さを各所で評価されています。
2つの課程は、入学後に変更することが可能です。ピアノ課程からピアノ演奏家課程への課程変更試験(実技課題が増えます)を受け、一定の条件と評価を満たした場合には、ピアノ演奏家課程に変更できます。ただし、この変更は1年次のみとなります。2年次以降に変更を希望する場合には、卒業年次が1年多くなる可能性がありますので、4年間での卒業が難しいと判断して良いと思います。また、ピアノ演奏家課程からピアノ課程への変更は、課程変更申請と審議により判断されます。この課程移籍制度は、入学後に将来の目的が大きく変化していく学生に対しての配慮となります。
以上がピアノコースの2つの課程の紹介です。鹿児島国際大学のピアノコースは、学生の学びの段階に寄り添い、高い学位の質保障を目指し、学生とともに教員が一丸となって教授しています。また、社会人、既卒者の再教育の場としても、広く対応できるカリキュラムとなります。ピアノが大好きで、ぜひ、ご自身とピアノの関係を楽しいものにしたいと願われる皆さん、大学への進学を考えて見てくださいね。
中島クラスのピアノ実技レッスンを限定公開しております。1~4年生で、社会人在学生を含む学びを録画しています。学生の皆さんの向学心溢れる様子をご覧ください。こちらからどうぞ。